2013年6月3日月曜日

名古屋競馬:実質赤字で廃止可能性も

 名古屋競馬(名古屋市港区)は3日、2012年度決算で4700万円の実質赤字になると、愛知県競馬組合議会の臨時会で明らかにした。単年度の実質赤字は09年度から4年連続で、累積赤字は約40億円にのぼる。県などが設置した経営改革委員会は「13年度の実質黒字化」を存続の最低条件としており、管理者の大村秀章知事は議会で「税金で維持するのは筋ではない。赤字がひろがるのなら、ある時点で見切りをつけるのは選択肢の一つ」と廃止可能性に言及した。

 12年度の馬券売り上げは前年度比3%増の約151億3000万円。電話・インターネットでの売り上げが同29.3%増の約57億5300万円と大きく伸びたが、業者への手数料(11〜16%)支払いで収益率が低下した。実質赤字だが、経営再建用の基金約4800万円を充当し、決算上は約100万円の黒字にした。
 県競馬組合は14年度に払戻率を下げるなどの方法で黒字化する計画だった。だが経営改革委員会が4月、13年度の実質黒字化が必要と表明したため、13年度の黒字化が急務となっている。
 同競馬は13年度、中央競馬の馬券販売を開始するなど増収策を打ち出しているが、県競馬組合は「さらに経費削減などを進め、実質黒字化を達成したい」としている。
 名古屋競馬は県と名古屋・豊明両市で構成する県競馬組合が運営。組合議会は今年3月、14年度以降の実質赤字が見込まれる場合、事業を廃止するよう求める決議案を可決した。(毎日新聞)