2008年8月27日水曜日

「勝訴は自分に不利」 笠松競馬地主2人取り下げ

 笠松競馬場(岐阜県笠松町)を主催する同県地方競馬組合に、競馬場の一部地主が土地の明け渡しなどを求めた訴訟で、1審で勝訴した原告地主86人のうち2人が訴えを取り下げていたことが分かった。「勝訴すると自分で自分の首を絞める結果になる」のが理由という。勝訴した原告が訴えを取り下げるのは異例。取り下げは名古屋高裁に13日付で受理された。
 訴えを取り下げた地主の1人は、馬場に約360平方メートルの土地を所有。2006年の提訴時、「地代が上がるなら」と訴訟に参加した。
 しかし今年5月の岐阜地裁での勝訴後、勝訴が確定すると競馬場を廃止に追い込み、地主には固定資産税の支払い義務だけが残ることに気付いたという。
 競馬場の敷地は開発が大幅に制限された市街化調整区域にあり、住宅を含め新たな建物は建てられない。
 このため、競馬場の跡地利用の見通しが全く立たず、事実上、競馬場以外では地主に財産収入を生み出さない。
 訴訟では、ほかにも2人の地主が控訴審の代理人を選任していない。
 原告側代理人の異相武憲弁護士は「提訴時には説明不足や理解不足があったかもしれない」と釈明。「勝訴すれば、増額された賃料が明け渡しまでの期間支払われるし、跡地利用についても夢を持っている」とし、今回の取り下げは訴訟に影響ないとしている。
 <笠松競馬場訴訟> 原告は地主253人のうち86人。1審岐阜地裁判決は、組合と原告地主側が結んでいた土地賃貸借契約は05年度で終了したとして、組合側に土地の明け渡しと賃料の増額を命じ、6月に組合側が控訴。控訴審第1回口頭弁論が来月3日、名古屋高裁で開かれる。競馬場は敷地28・9ヘクタールで、訴訟の対象は走路などを含む約30%。