2008年8月20日水曜日

サムソン仏へ出発 福島で2週間の出国検疫終了

 10月5日の「第87回凱旋門賞」(G1・仏ロンシャン競馬場・芝二千四百メートル)に日本から挑戦するメイショウサムソン(牡5歳、栗東・高橋成)が19日、福島競馬場での2週間の出国検疫を終えた。日付が変わった20日午前0時、成田へ向けて出発。同8時15分発JL6461便で、僚馬ファンドリコンドル(牡5歳)とともにフランスへ旅立つ。前哨戦のフォワ賞は使わず、本番に向かう公算が大きい。 2年越しの夢がかなう。メイショウサムソンは旅支度を整え、あとはフライトを待つばかりだ。昨年は出国検疫を受けるため美浦トレセンに入った。その直後、馬インフルエンザが大流行。サムソン自身も陽性が出て、断念を余儀なくされた経緯がある。 遠征スタッフは丸山雅夫助手、高橋義忠助手、中田征男きゅう務員。あの時の憔悴(しょうすい)しきった表情とは対照的に、誰もが明るい。福島で検疫を受けたのは正解だった。中京競馬場という選択肢もあったが、今年の名古屋の暑さは異常だからだ。 調教パートナーの丸山助手は「栗東を出る前は夏バテがきかけていた。福島は昼は暑くても朝晩が過ごしやすかった。ここ数日は秋のような気候。カイ食いも戻り、日一日良くなっている。この感じでいけば、向こうの環境に慣れるのも早いと思う」と話す。 シャンティー調教場ではミケル・デルザングきゅう舎に預託する。現在の管理頭数は28頭と少ないが、リーディング27位につけている。将来を嘱望される気鋭の調教師。この7月、日本人で初めて仏調教師試験に合格した小林智(さとし)さんも手伝ってくれる。サポート態勢は万全だ。 「天皇賞、宝塚記念とも2着だが内容はいい。海外で仕事するのは初めて。いろいろ不安はあるが、馬さえ元気でいてくれれば」と丸山助手。陣営は心一つになって世界最高峰の舞台に挑む。(中日新聞)