2009年10月29日木曜日

道営競馬が札幌撤退へ 来年度 門別単独開催に

 単年度赤字の解消を目指す道営ホッカイドウ競馬について、道は29日、本年度限りで札幌競馬場(札幌市中央区)でのレース開催から撤退する方向で調整に入った。札幌競馬場での場外馬券発売を本年度で終了することも既に決まっており、道営競馬は同競馬場から完全撤退となる。

 道は今後、同競馬場を所有する日本中央競馬会(JRA)など関係機関と最終調整する。

 札幌競馬場では例年4月下旬から5月上旬にレースを4~6日間開催。今年の6日間のレース総売上額は、計画比11・5%減の7億2100万円にとどまった。

 また、同競馬場での場外馬券発売の本年度の売り上げは1日平均525万円(10月27日現在)と、5年前に比べて8割減少している。道は札幌競馬場からの撤退で、道営競馬全体で1億5千万円の経費削減になると試算している。

 本年度までの道営競馬全体の累積赤字は239億4千万円に上り、道は本年度、道営競馬運営に一般会計から3億円を繰り入れている。

 経費節減のため、既に昨年を最後に旭川開催から撤退し、メーン開催場の門別競馬場(日高管内日高町)への集約を進めており、札幌撤退もその一環となる。道の経営再建計画では、2010年度に単年度赤字が解消できない場合、競馬事業を廃止することにしている。札幌市内には札幌競馬場以外に、9月に開設した「Aiba琴似」など3カ所の場外馬券場があり、これらは今後も営業を続ける。(北海道新聞)