2012年1月5日木曜日

地方競馬ナイター明暗! 好調の「高知」 計画足踏みの尼崎「園田」

経営に苦しむ全国の地方競馬場が、ナイターの開催に生き残りをかけている。会社帰りのサラリーマンらの来場をはじめ、インターネット投票による売り上げ増加が見込めるからだ。平成21年に国内で初めて通年ナイターを始めた高知競馬場(高知市)では、売り上げが導入前の約1・5倍に増加。一方、住宅街が近い園田競馬場(兵庫県尼崎市)では、関西初のナイター開催をめざすが、住民の反対が根強く、足踏み状態が続いている。
 園田を運営する兵庫県競馬組合によると、姫路競馬場を含めた売り上げは平成3年度がピークで約1187億円。だが、近年は不況やレジャーの多様化で低迷し、22年度は約308億円にとどまり、約5億5千万円の赤字に転落した。
 「このままでは廃止は目に見えている」と組合側が計画したのが24年度からのナイター開催だ。火、水、木曜の週3日の開催日のうち、火曜開催をやめ、金曜にナイターを開催する。関西初ということもあり、昨年6月の試算では1日の平均来場者は22年度に比べて4割増の5300人を見込み、「最低でも2億円の黒字」と試算する。
 地方競馬全国協会によると、ナイターは昭和61年、大井(東京都品川区)で初めて開催。現在、地方競馬が行われている16競馬場のうち、門別(北海道日高町)、川崎(川崎市)、高知など計5カ所で導入されている。
 なかでも、平成21年7月に国内で初めて通年ナイターを始めた高知では、導入前の20年度に約39億円だった売り上げが、22年度に約1・5倍の約60億円と、インターネット投票を中心に増え、ハルウララブーム後の経営を支えている。
 園田を運営する県競馬組合もナイター開催に向け、23年6月から住民説明会を開催。住宅地に隣接していることから警備員や送迎バスを増やすとともに、周辺を清掃するなど住民の不安を解消する安全対策を打ち出し、理解を求めてきた。
 だが、「住環境や治安が悪化する」とする反対の声が根強いうえ、組合を構成する尼崎市が「住民の合意が前提」との立場を示していることから、24年度からの実施は見送った。組合側は「より多くの住民の賛同を得る努力を続ける」としているが、住民の合意が得られるかは不透明だ。(産經新聞)