2009年11月22日日曜日

馬のゼッケン、バッグに変身! 人気集める 滋賀・栗東トレセン


 日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニングセンター(栗東市)の競走馬が使用した帆布ゼッケンを、県内の障害者施設がバッグのブランドに変身させた。名前は「優駿」を意味する「steed」。06年に限定販売した試作品が競馬ファンに好評だったため、デザイナーの協力を得て品質を高めた。インターネット販売が中心で、若い女性からも「可愛くて使いやすい」と人気を集めているという。【安部拓輝】

 ◇JRAトレセンと福祉施設がコラボ
 栗東トレセンはJRA初の調教場として1969(昭和44)年に設立され、オグリキャップやディープインパクトなどの名馬も育ててきた。従来、馬のゼッケンは流出して売買されるのを防ぐため廃棄していた。

 施設の清掃作業で障害者らと一緒に出入りしていた県社会就労事業振興センターの城貴志さん(32)が再利用を発案してトレセンに持ち掛けたところ、「福祉のためなら」と快諾を得た。数百枚を無償で譲り受けてバッグを試作しホームページや阪神競馬場(兵庫県宝塚市)で販売すると引き合いが相次いだ。

 今年に入って改良を加え、バッグ(税込み7500~9000円)、ウエストポーチ(同4000円)、セカンドバッグ(同3500円)の3種類を用意。栗東トレセンが開設40周年を迎えた今月からネット上で本格販売を始めた。

 馬の汗や油で汚れたゼッケンは草津市内の若竹作業所で手洗いし、守山市の聴覚障害者施設「びわこみみの里」で縫製。帆布に縫い込まれた厩舎(きゅうしゃ)と馬番号は原型のまま、完成品には焼き印で製造番号を入れた。

 城さんは「参画する施設を増やし、福祉施設のイメージを塗り替えるようなブランドに育てたい」と意気込んでいる。(毎日新聞)
<写真>ゼッケンを生かしたバッグは3種類。びわこみみの里のメンバーが丁寧に縫い上げている。