2010年5月25日火曜日

公営ギャンブル「見直す」 事業仕分けで枝野刷新相


 競輪の振興事業を担う財団法人JKAを取り上げた24日の「事業仕分け」の中で、枝野幸男行政刷新相は「行政刷新会議として公営ギャンブル共通の問題点について方向性を出す」と述べ、競輪だけでなく競馬や競艇などについても制度見直しを検討する考えを示した。

 JKAは2008年度、競輪を開催する都道府県・市町村から売上金の約3%にあたる約253億円を受け取り、これらを財源に約193億円を公益法人などに補助した。競輪場の改修や宣伝のため地方自治体に約83億円を還付した。24日の事業仕分けでは、JKAが資金分配を仕切ることに「問題がある」として、「廃止」と結論づけた。

 尾立源幸参院議員は、JKAが補助金を支出した129法人のうち85法人の役員計145人が経済産業省など公務員の天下りだと指摘。仕分け人からは「省庁の都合のいい財布」(寺田学衆院議員)との激しい批判が相次いだ。

 寺田氏が「経産省OBがJKAのカネが流れている法人を渡り歩き、現在6カ所目だ」と指摘し、尾立氏も「我々の調査では推定3億円を受け取っている」と追及。法人・経産省側は「統合したので五つ」と返答し、会場から失笑がもれる場面もあった。

 競輪は、売り上げの一部を社会還元に使うことを条件に都道府県・市町村に実施が認められている。JKAは、日本自転車振興会と日本小型自動車振興会の業務を継承し、競輪やオートレースなどの振興を目的に08年4月に発足した。

 枝野氏は、公営ギャンブルの資金が天下り法人に流れ込む構図は競輪に限らないと見ており、「従来の配分の仕方は問題だ」と強調した。(朝日新聞)