2010年10月8日金曜日

笠松競馬、赤字1億円に縮小 県が本年度収支見通し

 県は7日、笠松競馬(羽島郡笠松町)の本年度の収支見通しは約1億円の赤字になるとする上半期終了時点での経営シミュレーション結果を明らかにした。8月時点で見込んだ1億1700万円の赤字よりは縮小したが、赤字補てんに使える財政調整基金6600万円の全額を取り崩してもなお、3400万円の赤字が残る。

 県地方競馬組合は11月初旬に開く笠松競馬運営推進協議会に経費削減を含めた追加対策の選択肢を示す方針。

 古田知事は同日の県議会定例会で、「税金で赤字を補てんしないという前提からすると年度末を待たずにぎりぎりの判断をしなければならない」と述べ、現状のままでは廃止もあり得るとの可能性をあらためて示す一方、「財政調整基金の範囲内でいかに乗り切れるかを吟味する必要がある」として、存続策を探る考えを強調した。

 上半期の馬券発売額は約54億円で、1日当たりは前年同期比7.5%減少。下半期も同じマイナス率で推移すると年間発売額は前年比8億円減の111億円になると推計した。

 4億2000万円の特定目的基金を取り崩して競馬存続の財源とすることについては「借金の合計は6億8000万円で、すでに2億6000万円の債務超過。特定目的基金を赤字補てんに使い切って残った借金は競馬廃止となった場合、税金で負担することになるため、慎重にならざるを得ない」と述べた。田中勝士議員(県民ク)の質問に答えた。(岐阜新聞)