2010年11月13日土曜日

「賞金・手当削減応じず」 笠松競馬、馬主会が要望書

◆県組合の提示案、協議難航
 存廃が議論されている笠松競馬49件(羽島郡笠松町)の本年度の赤字を埋め合わせるため、県地方競馬組合が賞金と手当の4割削減を関係者に提示している問題で、県馬主会は12日、削減には応じられないなどとする内容の要望書を同組合に提出した。削減案をめぐり同組合は、県調騎会、県厩務(きゅうむ)員共済会などとも協議しているが、反発は大きく、調整は難航している。
 県馬主会は同日理事会を開き、要望をまとめた。要望は、賞金・手当は既に最低ラインまで削減されており、場外馬券場「シアター恵那」整備費償還の基金などを取り崩して、赤字補てんに充てるよう求める内容。安田敏雄会長は「関係者は現状でも苦しい生活を強いられており、削減の割合の問題ではない。緊急対策として、基金を崩すほかはない」と話している。
 同組合は、8日に開いた運営推進協議会で、本年度の収支均衡策として、レース賞金や出走手当を12月から来年3月まで、4割削減する案を提示。関係者と協議し、今月末以降に開かれる競馬49件組合議会に補正予算案を提出する方針。関係団体は11日以降、会合や説明会を開いているが「レースが成立しなくなる」「基金を崩して危機を乗り越え、振興策を考えるべき」などの声が上がっている。
 古田肇知事は、税金による赤字補てんや、財政調整基金以外の基金の取り崩しには否定的な考えを示している。(岐阜新聞)