2011年9月27日火曜日

福山競馬存続依然厳しく 上半期売上高4.2%増だが

 福山市営競馬は26日、2011年度上半期(4~9月、48日間)の開催を終えた。1日平均の売上高は8701万円で、10年度上半期(42日間)の8355万円と比べて4・2%増えたものの、第2四半期(7~9月)だけで比べると前年同期より悪化。入場客数は落ち込みが続き、単年度収支の黒字確保が条件となる競馬事業の存続に向けて、下半期も依然として予断を許さない情勢だ。

 市のまとめによると、第2四半期に1日平均の売上高は、前年同期(8537万円)比6・1%減の8016万円。第1四半期(4~6月)が同16・4%増の9512万円と好調だったことから上半期全体では10年度を上回ったが、陰りが鮮明となった。

 3月の東日本大震災で東北や関東の競馬、競輪が休止された影響で、インターネットの馬券販売で市営競馬に利用客が集まっていたが、他場が再開したのが苦戦の原因とみられる。

 ネット販売が勢いを失う一方で、深刻な課題として浮上してきたのが入場客数の減少だ。売上高を前年同期より伸ばした第1四半期でさえ、1日平均の入場客数は1655人で同15・2%も減少。第2四半期はさらに落ち込んで1535人で同17・2%減、上半期全体では1590人で同16・4%減となった。

 市営競馬は4月から、ネット上の顧客を狙い、日本中央競馬会(JRA)が終わった時間帯にレースを行うため開門時間を繰り下げたが、競馬場にはナイター設備がなく、入場客離れに拍車を掛けた可能性がある。日没が早まる10月以降、現在は午前11時としている開門時間を30分~1時間繰り上げる。

 市競馬事務局は、「(収益性の高い競馬場本場の)入場客数が下げ止まらないなど、競馬事業は厳しい状況が続いている」としている。(読売新聞)