2010年8月11日水曜日

今年度も赤字の場合は事業廃止 崖っぷちの「ホッカイドウ競馬」 第1回


■かつては道財政に貢献したが、累積赤字は242億円

 存続か、廃止かーー昨年度までの累積赤字が242億円に達した道営ホッカイドウ競馬は、今年度の赤字を解消し、収支を均衡させなければ、廃止を余儀なくされる。

 道はこれまでホッカイドウ競馬の赤字分を一般会計から補填(借り入れ)してきた。だが、道財政はすでに危機的状況に陥っており、今後も多額の収支不足が見込まれている。高橋はるみ知事は9月にも存廃の判断をするとみられている。

 [道営競馬の歴史]

 1948年度 帯広で競馬開始
 50年度 この年から55年、83年から85年まで赤字決算
 53年度 札幌開催がスタート
 85年度 ベースキャンプとして門別にトレーニングセンターを開設
 91年度 過去最高の454億円を売り上げ
 92年度 赤字に転落(現在まで)
 94年度 旭川でナイターを開始
 97年度 トレーニングセンターを整備し、門別競馬場を新設。岩見沢、帯広開催を廃止
 2000年度 冬期間に南関東地方競馬を場外発売
 01年度 初めてのミニ場外発売所を新設(静内) 単年赤字が過去最大の28億4000万円
 03年度 「三連単」「三連複」「馬単」の新型馬券導入。売り上げが12年ぶりに増加
 08年度 旭川開催を廃止
 09年度 札幌開催を休止 開催業務を北海道軽種馬振興公社に委託
 10年度 門別競馬場1カ所で開催

 ホッカイドウ競馬は、91年度まで事業の黒字計290億円を一般会計に繰り入れ、道財政に貢献した。同時に馬産地振興、雇用や地域経済にも寄与してきた。
 しかし、景気の低迷による発売額の減少やレジャーの多様化を要因に92年以降は赤字決算が続いている。過去最大28億4000万円の赤字を計上した01年度以降は、ミニ場外の拡充、経費削減などの運営改善、インターネット発売の充実などで年々赤字額を縮減しているが、前述のように累積赤字は242億円に膨らんだ。
 道が08年3月に策定した「北海道競馬改革ビジョン」には、今年度までに単年度収支の均衡化が図れなかった場合は競馬事業を廃止することが明記された。
 今年度は、11月18日までの全日程(計80日間)を門別開催(全ナイトレース)に集約、発売目標は前年度比4億円増の119億5000万円。目標達成と赤字解消は容易でない。(北海道365)