2010年9月23日木曜日

「速やかに廃止」求める 福山競馬で答申案まとめ 広島

 ■「収支確保」条件に事業継続 

 約20億円の累積赤字を抱える福山市営競馬について、同市競馬検討委員会(吉原龍介委員長)は21日夜の会合で、「速やかに廃止」としたものの、実質単年度収支が確保できる間は「事業継続」との答申案をまとめた。29日に羽田皓市長に答申される予定。

 終了後の会見で、吉原委員長は「現状のままだと、2〜3年後には廃止される」との厳しい見通しを表明。廃止される場合は関係者の生活補償や雇用問題について、時間をかけて対応策を検討するよう求めた。

 会合では、答申案の策定部会で出された4案について協議。この結果、「できるだけ速やかに廃止」だが、「実質単年度収支の確保」を最低条件に、来年度以降も事業継続を容認する案に賛成が集まった。

 事業継続を望む競馬関係者の意向を反映したものだが、収支確保のために、賞金や手当など「賞典奨励費」の削減が条件となっている。このため、来年度以降、継続されても関係者に厳しい状況は続く。

 市は多額の赤字を抱える同競馬の存廃を審議するため、今年2月に同検討委を設置。7回にわたって会合を開き、基金を繰り入れなくても収支が赤字とならない「実質単年度収支の均衡」を事業継続の基本方針として論議を重ねた。

 しかし、今年度第1四半期(4〜6月)でも実質3千万円超の赤字を計上。「廃止」をベースとする議論の流れの中で、存続を訴える関係者に一定の配慮を示した結論となった。(産経ニュース)