2010年1月23日土曜日

福山競馬アイデア次々…払戻金最高2億円投票導入

携帯ストラップを発売 カップル向けイベント

人気を集める騎手の勝負服をデザインしたストラップ(広島県福山市千代田町で) 多額の累積赤字を抱え、厳しい経営状況が続く福山市営競馬場(広島県福山市千代田町)が年明け以降、集客や収入増を狙ったアイデアを矢継ぎ早に打ち出している。オリジナルの携帯電話ストラップを発売し、カップル向けに競馬の楽しみ方を紹介するイベントを初めて開催するほか、23日からは払戻金が最高2億円の新しい投票法式を導入する。競馬場存廃などを議論する市の検討委の設置を間近に控える中、1月の売り上げは前年を上回って推移しているといい、巻き返しに向けて、“力走”している。

 おしゃれな競馬グッズで若者や女性にアピールしようと、県調騎会騎手部会が2日、所属する17騎手の勝負服をデザインした携帯電話ストラップ(1個500円)を発売した。勝負服をかたどった合成樹脂製の飾り(縦約3センチ、横約2センチ)に、騎手によって赤地に黄色の「W」が入った柄や、緑地に星形をちりばめた柄などをプリント。競馬場内の総合案内所で、騎手ごとに15個ずつ売り出したところ、約150個が売れて、騎手によっては品切れも出る人気ぶりという。

 バレンタインデーの2月14日には、カップルで競馬場デートを楽しんでもらおうと、馬券購入などを体験するイベント「カップル集まれ。福山競馬にチャレンジ!」を開催。20歳以上の男女ペア、先着25組を募集している。参加者は、競馬場の来賓室で馬券の買い方やレース予想の仕方などを教わり、県馬主会から贈られる馬券購入券200円分を使ってレースを楽しむ。

 新投票方式は、開催日の後半5レースすべての1着を当てる「五重勝単勝式」で、1口100円。払戻金は、的中者がいなければ繰り越されて、最高2億円となる。購入には、地方競馬の馬券をネット販売する「オッズパーク」の会員になることが必要で、コンピューターが自動的に番号を抽出するため、各レースの勝ち馬を予想する必要がなく、初心者でも宝くじのような感覚で楽しめるという。

 市競馬事務局によると、1月の売り上げは、開催した6日間のうち、5日間で前年同時期を200万~1000万円上回る好調ぶり。市競馬事務局は、「今後も存続に向けて、様々な振興策を繰り出していきたい」としている。問い合わせは同事務局(084・953・0828)。(読売新聞)