2010年1月15日金曜日

笠松競馬で愛を叫ぶ

 「祝! 真史・知子結婚記念」「さちこ三十路記念」……。笠松競馬場(笠松町)で実際にあったレースの名前だ。個人や企業が自由に名付けられる協賛レースを同競馬場が始めたのは2005年。申し込みの手軽さが人気を呼び、結婚や誕生日のお祝い、社員旅行の記念や婚活にまで使われている。
 協賛金は個人1万円、企業なら5万円から。企業の場合、相当額のビールやハムなど現物で支払うこともできる。協賛になると、競馬の専門紙にレース名が載るほか、実際のレースでは実況が何度もレース名を伝える。レース後はバスで待機所へ行って勝利騎手や1着馬と記念撮影。記念のサインをもらい、バスで馬場を1周できる。
 協賛レースで一番多いのは、新郎新婦の名前を冠した結婚記念。「結婚式2次会で使いたい」という要望もあったため、去年からは希望者に協賛レースの模様を撮影したDVDを有料で贈ることも始めた。名前の入った外れ馬券を引き出物にしようと、実際のレース時に単勝、複勝、枠連、馬連など100種類以上を買う幹事もいたという。
 今月中には、独身の知人男性が結婚できるようにと、「量栄様婚活記念」と冠したレースも行われることになった。ただ、実際に効果があるかはわからないという。
 一方で、プロポーズや告白に使うのは難しいようだ。これまでに、「『○○、愛してる』というレースをしたい」と問い合わせが何度かあったが、実現したものはない。相手方の同意が必要なためだ。担当者も「面白いとは思うのですが……。思いが一方的だった場合は大問題ですから」と慎重だ。
 存廃問題に揺れた関係者を慰労する意味もあり、収入はすべて馬主、騎手、調教師、厩務員に4等分する。
 今年度は不況の影響もあって97件(09年12月現在)にとどまるが、これまで毎年度の応募は150件以上にのぼった。担当者は「一生の記念になる協賛レース。色々な機会に利用して、笠松競馬場に足を運んでください」と話している。 (朝日新聞)



■実際にあったレース名
・旨(うま)い! 卵かけご飯推進記念
・第3回笠松競馬参拝記念
・そうだ! 笠松に行こまい盃(はい)
・パク&ペ 笠松が誇る誘導馬
・祝! 尾関取締役記念
・頑張れ花本正三! 中高年の星
・男の離婚本出版記念
・藤原幹生騎手恋人募集記念
・公営競技はどこへ行く賞
・厄年は飛躍記念
・未勝利限定「めざせ一笑」賞
・共栄50年会旅打ち記念